紅葉文

楓の葉が赤く色づく秋は鹿が恋する季節です。鶏冠に似た葉の形が武家に愛され,「紅葉狩り」をはじめ日本人の季節感の道標として親しまれてきました。

雪どけ〜流水と花籠〜

大正時代から昭和初期に仕立てられた着物地です。 中央に描かれた「流水」は、曲がりくねって流れ続ける水を文様化したものです。雪どけとともに生まれた一滴の水は、小川となり、やがて大きな流れとなって海に注いでいきます。その様子は、日ごとに成長していく若人のような伸びやかさや力強さを感じさせてくれます。 色鮮やかに紅葉した楓が、「花籠」からあふれ出て水面に舞い散る様は、命の源である水がもたらしてくれる実りを心から喜び、祝福しているかのようです。この着物を着る女性の人生に“豊かな恵みがもたらされますように”と願う気持ちが伝わってきます。  季節を問わず用いられる「花籠」の文様は、四季を通して『幸せへの願い』を身に纏えるように、という親の想いの表れのように思えます。

紅葉文

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